四月の初めに北京を訪れた。昨年から継続している中国ウォッチングの一環である。中国映画界のリーダーはじめ、自信に満ちあふれた若いエグゼクティブ達と語りあうことができた。

エンターテインメントのメッカ、北京

北京は中国の政治の中心地であるとともに、大企業の本社がひしめく、経済の中心地のひとつでもある。2015年には、世界で最も億万長者が多い都市となった。同時にエンターテインメント系の企業が集中している都市でもある。中国共産党の中枢が置かれ、お堅いイメージ一辺倒かと思いきや、その対極のような業界の中心地でもあるのだ。考えてみれば、政治権力にとって様々なプロパガンダにエンタメは都合がいいと言うこともあるのかも知れない。もちろんこの地もキャッシュレス化されていて、WeChat Pay抜きには買い物もできない。

著名映画関係者と会い、仕事依頼まで。

エンタメ中心地とあって、今回の視察では映画界の一線で活躍している人々と会うことができた。まずは敏腕プロデューサーHomber Yin氏。日本の映画制作現場のレベルの高さを評価しつつ、制作コストがリーズナブルであることに目をつけ、日本で映画を撮りたがっていた。その流れかどうか、僕に仕事の依頼があり、面白そうなので引き受けたが、思いがけない成り行きだった。

画像: Homber Yin 氏

Homber Yin 氏

画像: 松峰莉璃氏

松峰莉璃氏

左から松峰莉璃氏、Li Xue 監督、スピーディ福田社長

高名な映画監督Li Xue氏、日本人だが中国で人気の女優松峰莉璃さんにも会うことができ、中国の映画事情を知ることができた。

画像: 奇抜なデザインの中国 国家大劇院 4つの巨大な劇場から成る国立劇場だ

奇抜なデザインの中国 国家大劇院 4つの巨大な劇場から成る国立劇場だ

国家大劇院の内部

そのほか、中国のいわば「チケットぴあ」にあたる猫目電影のオフィスも見学できた。中国の映画興行収入は2018年に600億元を突破。興収上位は自国作品。映画チケットの約80%がオンライン購入。猫目は中国の映画チケット販売の約60%を握り、猫目のアプリはWeChatにも組み込まれている。猫目ではチケット販売を通じて集めた膨大なログデータを映画やドラマ作りに活用し、ヒットを連発。オフィスでは大型ディスプレイが、刻々と変化するチケット販売状況を映し出していた。

北京の若きエグゼクティブ達に会う

北京でも深圳で出会ったようなスケールの大きな起業家に会えた。Cai Yuedong氏は、20代の時に世に出したSNSアプリで大成功し、莫大な富を築いた。セミリタイアして世界中を巡っていたが、にわかに思い立って実業の世界に乗り出し、電子タバコのYOOZ社を買収。なんと販売初日500万元を売上げた。この会社は既に業界第5位だという。

画像: 電子タバコYOOZのサイネージ

電子タバコYOOZのサイネージ

新しい働き方を実践している青年にも会った。Tim Huang氏はテンセントに所属し、インターネットと金融に関わる仕事をしている。オフィスにはほとんど顔を出さず、世界中を動き回っているそうだ。投資の仕事だからオフィスにいる必要がない、というのは合理的だ。テンセントという企業の懐の深さを感じる。彼も高校時代インターネットビジネスを立ち上げた経験を持つ。

画像: 左から、坂井、Yuedong氏 一人おいて福田社長

左から、坂井、Yuedong氏 一人おいて福田社長

画像: Tim Huang氏

Tim Huang氏

中国をあちこち旅してきたが、成長著しい大都市には可能性に満ちた若い人材が溢れ、果敢に新しいビジネスに挑戦しているのが肌で感じられた。

日本と中国の新たな関係性を考えよう

中国の若い起業家達と話していると、ほとんどの口から、日本への好意的なコメントを聞く。社交辞令だろうが、彼らが割合頻繁に日本を訪れているのも事実だ。もちろんビジネスあっての訪日だろうが、我々は今勢いのある中国に学ぶと同時に、日本の何が彼らを引きつけるのか認識しておく必要がある。

政治の世界では何かと対立も多い日中だが、個人のレベルでは全く違った認識があるのだということを見誤らないようにし、お互いに相手から謙虚に多くのものを学ぶべきだろう。

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